株式会社チャットブックCEO小島舞子氏が明かす起業!自動応答チャットボットサービス導入で実現可能になる業務効率化

今回の記事では、特に営業面での業績をアップさせたい企業向けにサービスを提供している、注目のスタートアップをご紹介したい。Facebook Messenger上でユーザーとの自動会話を実現したチャットボットサービス「ChatBook(チャットブック)」を提供する株式会社チャットブック

今年2月には、Salesforce Venturesなどを引受先とする第三者割当増資により大型の資金調達を行っている。国内企業で唯一の、Facebookが主導するプラットフォーム開発プロバイダーで、サービスの開発エンジニアでもあり、学生時代にも起業経験を持つ同社CEO・小島舞子氏に、起業の話やチャットブックの未来について伺った。

自動応答チャットボット作成でつながる商談、営業を簡単に

──チャットブック社はどのような会社でしょうか?

小島舞子氏(以下=小島氏):Facebook Messengerと連携した自動応答チャットボットを利用することで、営業を簡単にし、きっかけをいかに具体的商談につなげるかというサービスを運営しています。

──そんな小島さんの起業の動機はどのようなものだったのでしょうか。

小島氏:もともと、学生時代にアプリ開発で1社目を創業したのですが、当時のAppStoreでは本当に良いサービスを作ってさえいればアプリの集客は可能でした。その後、別の会社にWebディレクターとして入社したころ、PVが多いサイトなのに、それがうまく予約や申し込みにつながらないというのが課題でした。

前職のスタートアップでも同じような経験をしていて、ランディングページだと申し込みや問い合わせに直結させることには限界があるのかなと思っていました。そのような折り、「Messengerアプリの利用者数が、SNSの利用者数を超えました」というニュースを知りまして。

Messaging apps are now bigger than social networks
〜The Messaging App Report – Business Insider〜

「多くの人が使っているチャットなら、申し込みが簡単にできるかな」と、それを他の企業も使えるサービスにしたいと思い起業しました。

──学生時代に起業経験をお持ちなんですね。では、創業2社目のチャットブック社も順調な滑り出しだったのでは?

小島氏:それが、創業当時、「チャットボットを作りませんか」という営業をかけたのですが、なかなかうまくいかなくて…。というのも、これまでtoCのサービスだったので、どうやって効率的にクロージング(受注)に結び付けていくのかが分かりませんでした。

そこで、試しに弊社もホームページの右下などに(ポップアップされている)「ご質問ください!」という質問チャットを設置したところ、「見積もりをください」というリアクションがあり、受注に至りました。このケースのようなインサイドセールスの場面でならチャットボットが使えると思ってサービス展開につながっていきました。

──試行錯誤をなさっていますね。では、会社を軌道に乗せるにあたって、大変だったという経験を教えてください。

小島氏:起業は2度目だったので、エンジニア採用はそれほど苦になりませんでした。しかし、お客さまへの対応ではとても苦労した思い出があります。初営業先のミーティングで「これいいね! うちも使いたいよ」と好感触だった担当者に見積書を送ったら、全く反応がなくなったことはよくありました(苦笑)。

なぜなら、その担当者には決裁権がなく、なかなか、(決裁権のある)担当者を握るということができなかったからです。

起業時に苦労した営業経験とそこからの現状打破

──飛び込みに近い形で営業に行くと、すぐに決裁権のある担当者まで到達するのは難しいですよね。では、どのようにして状況を打開していったのでしょうか?

小島氏:当然ながら個人で営業の勉強もしましたし、Salesforceから出資されるにあたって、Salesforceの営業チームで共有されている営業ノウハウも教えてもらいました。それらは現在のチャットブックにも活かされています。

たとえば、マーケティング用語で「BANT(バント)」という、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(必要性)、Timeline(導入時期)の頭文字を取ったものがあって、この4つを押さえないとクロージングしにくいし、できたとしても顧客満足度につながらないというのがあります。

チャットブックでは、その4点を自動でチャットボットがシンプルに聞いていきます。そのチャット履歴を見て、インサイドセールスの担当者が後から電話してもニーズを汲み取った会話ができるので営業先にも伝わりやすい利点があります。

──初対面同士の探り合いをチャットブックが取り払ったということでしょうか?

小島氏:そうですね。また、Facebookでつながっているので営業っぽくない点もありました。プロフィールを見ることができるし、「(営業先の人物に)共通の友達がいる」というのが分かれば初対面時にも会話の糸口になるメリットもありましたから、商談に結び付きやすい利点も。やみくもに営業リストに飛び込みをかけても成約率は0.01%ぐらいだと思いますが、この営業のやり方だとかなり確度が高くなります。

──目的達成のためにムダがありませんね。顧客へのアプローチに変革をもたらすツールですが、行政書士法人GOAL INQも導入し、過去に記事掲載もしています。

小島氏:CVR率(成約率)で平均の2倍以上の結果が出ているとの記事を読みました。また、人材系のサービスなどで、実際にCPを70%削減できたと伺っています。

──前回の記事掲載時からサービスに変化はありましたか?

小島氏:最初は資料請求や仕事依頼のフィルタリング機能のようにして使っていただいていたのですが、アップデート後は、流入してきた人たちの確度がどれくらい高いかというのをアルゴリズム()が判定するシステムとなり、より人的リソースをかけない運営ができるようになりました。

──行政書士法人GOAL INQ以外でのチャットブック導入例を教えてください。

小島氏:リクルートキャリア、DIPや韓国大手人材系スタートアップなどの人材やイベント系、サッポロビールや丸亀製麺社などの複数社に導入されています。

顧客対応はメール アラート機能で人への切り替えも容易

──サービス面で他社との違いや独自のものはありますか?

小島氏:法人などのtoBサービスに特化しています。独自なサービスは、顧客対応でアラート機能により人とボットの切り替えが他社さんより容易な設計となっている点です。他社さんは基本人が(常駐して)顧客に対応する形になっていますが、チャットブックだと基本はボットですが人による対応も可能です。

人の対応が必要な顧客は、こちらのエンジンで判定して通知しますので、その時点で人に切り替えればよいという設計をして、差別化を図っています。

──そうすると、人的な部分がかなり楽になりますね。

小島氏:そうですね。 人的なリソースも削減できるようになります。

──金額面で他社との差別化はどのように図ってらっしゃいますか?

小島氏:実はあまり値段は変わらないと思います(笑)。しかし、企業がチャットボットを独自で作ろうとするとベンダーに依頼すればかなりの金額にもなりますし、そのあたりを当社ではオンライン上で簡単に作成できることが強みです。

Facebookの広告配信でアプローチする「見込み客」と成長していく

──チャットブック社が目指す将来や、そこに向けてのビジョンについて教えてください。

小島氏:ほとんどの会社で導入されているリスティング広告がありますよね。検索エンジンの検索結果に表示される広告のことです。携帯やスマートフォンなど、どこからでもアクセスできるようになったので当たり前なのですが、消費者が検索する時間は5年前より10倍も伸びているというデータもあります。

そのためリスティング広告の競合が多くなり、単価が上がってきています。そこで、企業としては(検索結果に直結する)「今すぐ客」ではなくて、潜在層である「見込み客」にアプローチしていく必要が出てきました。

Facebook上での広告配信は、今欲しいという人も含めて、その人のプロフィールや経歴からセグメントを切って「この人はこれに興味があるのではないか」という「見込み客」にも広告をあてる仕組みになっています。

このやり方であれば潜在層に到達しやすいし、ユーザーは競合他社の広告を見ていない段階から(チャットに)入ってくれるので、そこから話がつながりやすい。また一度興味を持ってもらえれば、購入スパンを短くすることもできるでしょう。その流れをチャットブックがお手伝いできればと思っています。

──深く潜在層にリーチしていくということは会社の将来性とも密接に関わってきそうです。

小島氏:そうですね。それによってターゲット層を広く獲得できるので、マーケット規模も大きくなってくると思います。 会社としてもそれに合わせて行ければ。

──そんなチャットブックのサービスには、毎月どれぐらいの問い合わせが来るんですか?

小島氏:広告も入れているのですが、月間だと約300件の問い合わせがありますね。それがリード(契機)となりボットが途中まで営業して、それを受けたインサイドサービスが「このようなものはいかがですか?」という営業を行っています。

──インサイドサービスは社員が行うという理解でいいでしょうか。どれぐらいの人数を割いてらっしゃいますか?

小島氏:そうです。社員は現在5人ですね。プラスしてインターンの方々もいます。インターンでも対応できるようにマニュアル化しています。

──大掛かりな人数を割いていそうなのに、意外にも少数精鋭なんですね。

小島氏:チャットブックがいろいろなリソースを削減してくれましたね。まず弊社のなかで使いやすくカスタマイズしたサービスを提案する営業も出来ますし。

──サービス開発にはどれぐらいの規模と期間を掛けて進めたのでしょうか?

小島氏:私ともう1人のエンジニアで作りました。サービス自体は1、2カ月ぐらいで作ったのですが、最初は全然売れなくて…。自分たちでカスタマイズしながら導入を目指しました。(開発は短期間でしたが)それからが長かったですね(笑)。実際の導入まで1年ぐらいかかったでしょうか。

精神的支柱になった融資支援

──スタートアップの課題として、資金調達の問題があります。小島さんはどのように進め、解決していきましたか?

小島氏:実は、当社は創業と同時に投資してもらっています。最初に起業していた会社も、元mixi(取締役兼CTO)衛藤バタラさんのイーストベンチャーズ株式会社に投資してもらっていました。それで、前の会社を「退職して起業します」とメールしたところ、「新しいファンドを作ったから、応募しない?」とメッセージをいただいて。

──タイミングとしてはバッチリでしたね。それもFacebook Messengerつながりで生まれたものですか?

小島氏:そうですね。最初の起業時にも1億円を投資していただいていたご縁もありましたし。

──そうすると、起業当初の不安などはありませんでしたよね?

小島氏:うーん…資金面での不安はそれほどありませんでしたが、サービスがちゃんと売れるかという不安はありました。GOALさん(現GOAL INQ)とは、そういった時期からのお付き合いですね。

──では、行政書士法人GOAL INQが果たした役割について詳しく教えてください。

小島氏:スタートアップは、サービスがまだ(浸透する前の)売れないところでいろいろな展開をしても投資家には相手にされない時期が絶対にあります。そんなとき、GOALさんにはちょうど「資金が大丈夫かな?」というタイミングで融資のお手伝いをしていただき助かりました。

──投資が途切れそうなタイミングでのお手伝いというのは、小島さんからのご依頼でしょうか?

小島氏:いえ。VCさんからの紹介で、GOALの若林さんにお会いし、融資についてアナウンス頂き、「お願いします」と依頼した後はとてもスムーズな融資支援を行って頂きました。自分で事業計画を書いて融資担当者に面談してという面倒な作業を一括で引き受けていただいたのはありがたかったですね。

──行政書士法人GOAL INQに依頼した「決め手」はどこにありましたか?

小島氏:信頼できる方からご紹介を受けたこともありますが、「スタートアップに強い行政書士法人」と聞いていました。融資が承認されるかどうかは決定まで不安なものです。そのようなとき、「僕たちもスタートアップですよ!」と若林さん(行政書士法人GOAL INQ代表)に声をかけてもらったのは心強かったですね。

あと、GOALさんにはSalesforce から資金調達する直前に融資支援して頂きました。そのおかげで、投資家相手に「すぐに投資が必要です!」と性急な交渉にならなかった点は精神的余裕が生まれましたし、精神的な支柱になってもらえてよかったと思っています。

──お忙しい中ありがとうございました!

小島舞子氏プロフィール

早稲田大学在学中に消費者向けサービスやアプリを企画開発する会社を創業。5年間CTO/CFOとして勤め、500万ダウンロードを達成するアプリを作る。VCから1億調達し、リクルートへ転職。後に株式会社チャットブックを創業。

投稿者プロフィール

若林 哲平
若林 哲平
行政書士法人GOAL_INQ代表
GOALグループ共同代表
/スモールビジネスのデットファイナンス()のサポートに特化した行政書士・認定支援機関。東京都のASAC(青山スタートアップアクセラレーションセンター)のメンターも務める。
キャンプが好き。
4児の父。