環境系行政書士の石下です。
いよいよこれから更に気温も上昇していきますが、注意したいのが熱中症ですね。
毎年こんなに暑かったっけ?と思っていますが、個人的には真夏でもジャケットにネクタイ。スーツは仕事の戦闘服だと思っていますが、当然暑いのは暑い。
だからこそ水分補給に気をつけていますが、皆様は飲んだペットボトルはどのように捨てているでしょうか?
脅威のペットボトル販売量
PETボトルリサイクル推進協議会によると2015年度のペットボトル販売量(総重量)は563千トンとなっています。
清涼飲料の出荷本数にして200億本以上、おそらく夏場はこれ以上のペースで消費されていることでしょう。
ちなみに欧州では2015年度で3,119千トン、アメリカでは2,708千トンとなり、この3年連続で販売量は増加傾向にあり、日本は逆にこの3年で減少傾向にあります。
ペットボトルの環境負荷とリサイクル
こうして大量のペットボトルが販売されているわけですが、環境負荷の観点から見ると、石油からなるプラスチックであるため、製造にも多くの環境負荷がかかっている以外にも、梱包、輸送、リサイクルや廃棄に至るまで、環境には常に負荷がかかっています。
日本は諸外国と比べても、非常に高いリサイクル率を誇っていますが、ペットボトルとしての再生利用よりは、燃料化や再資源化が多いようです。その点については欧米などと大きく異なっています。
(引用元:PETボトルリサイクル推進協議会)
なぜ分別が必要なのか?
このように多くのペットボトルが消費され、そして捨てられているわけですが、捨てる際には分別するようになっています。
例えばキャップとそれ以外では成分が違うため、リサイクルされる方法も異なるので、分別されていることによってリサイクルしやすくなります。パッケージを剥がすことも同様です。
写真は先日通りがかったとあるコンビニのゴミ箱ですが、キャップが分けて捨てられるようになっていますね。
加えてこのコンビニでは飲み残しも捨てられるようになっています。
実はこれがとても重要なんです。
ペットボトルの中身を捨てる理由とは
再資源化の現場で困ることの一つが、ペットボトルの中身です。例えば中にタバコなどの不純物が入っていると、そのままでは再生燃料にならないため、それらを取り除く必要が出て来てしまいますが、大量のペットボトルの廃棄物の中身を一つ一つ確認するのは大変な作業です。
また、飲み物が入ってしまっている場合にも、それらを取り除かなくてはならないだけではなく、それを流すにも許認可の問題も関わってきます。
効率よく再生利用するためにはペットボトルの中身をきれいに捨てることが大事なのです。
ペットボトルに関する許認可とは?
ペットボトルの再生利用、そして適正な処理について許認可の観点から見ると、非常に複雑であることがわかります。
例えば全く同じお茶のペットボトルだったとしても、コンビニや自販機で買ったものを家で捨てる場合と、上記のようにコンビニのゴミ箱に捨てる場合では許可も異なります。
前者は一般廃棄物、後者は産業廃棄物として扱われるため、処理する側としても必要な許認可が変わってくるのです。コンビニに捨てたペットボトルの中身が入った状態であれば、それを運搬しようとする業者は産業廃棄物収集運搬業の許可が必要ですし、リサイクルのために細かく砕いたり、中身を捨てたりするにも産業廃棄物中間処理業などの規制がかかってきます。
まとめ
これからどんどん暑くなりますが、ペットボトルを購入した際には、適正な処理がなされ、効率よくリサイクルされるよう、中身をきれいにしたり、包装をはがしたりして捨てるようにしたいですね。
さらには大量生産、大量消費、大量廃棄につながらないよう、例えば水筒やタンブラーを使用して、なるべく廃棄容器を出さないようにするのもエコですね。
もはや亜熱帯とも言われる日本ですが、こうした小さな行動の積み重ねが未来によりよい環境を残すことにつながるのだと思っています。