(日本ブラインドサッカー協会)インタビュー連載vol.4「NPOとして、事業構造上も誠実でありたい(2)」

インタビュアー:GOAL MAGAZINE広報 白石華都
カメラマン  :行政書士法人GOAL/NPO法人設立・融資担当 若林哲平

前回までの記事

補助金に頼らない事業モデルの構築

(白石)NPO法人化に続き、融資をお手伝いしたのが2016年だったと思います。そのきっかけを教えてください。

(松崎)ダイバーシティ事業により投資をしていくフェーズだったという事です。

ビジョンに掲げている「混ざり合う社会の実現」にもう一歩進もうとした時に、健常者に向けた事業がやはり大事だなと。あと企業研修などは純粋な売り上げになる部分なので、資金調達上、すごく大事なんです。

(白石)そのあたりを詳しく教えて下さい。

(松崎)実は財源のうちの助成金や補助金は、どっちかというとゼロイチになってしまうケースが多いのです。しかも年の途中に四半期で助成金の調達率が25パーセントですみたいな管理って難しいんです。

(白石)おっしゃる通りです。補助金は、どうしても見通しが立たないですからね。

(松崎)補助金申請を頑張ったとしても、半年たって予算に対して20パーセントだったときに、打ち手がそこからあるのかというと、最初からプランにないわけですから、打つ手はほぼないわけです。

(白石)凄く分かります。NPO法人はその事業内容次第で申請できる補助金がかなりあるんですが、必ず採択されるわけではないですし、入金も事業完了後ですからだいぶ後になります。目標値を設定してその通りに行くという可能性は殆どないんですが、実際補助金をかなりの部分期待した運営をしているNPO法人は相当数ある気がします。

成長期でも、常にビジョンと共に

(松崎)JBFAでこの健常者向けの事業を、ダイバーシティ事業と位置づけて、融資をきっかけに力を入れ始めました。2016年度で70件ぐらいなんですが、当初の目標は60件ぐらいでした。(下図参照)

(白石)急激に伸びていますね。目標値を設定して結果上回っていらっしゃる。企業研修は、現実的な数値目標を立てやすいということが分かります。

(松崎)数字で売り上げ目標も立てているのですが、四半期ごとにレビューしていけば手の打ちようがあるし、改善のしようもある。収益率から改善していくこともできますから。一般事業者からするとなんと当たり前のことを、というところでしょうが、NPO法人の事業構造を踏まえるとなかなか難しいんです。

あとは、スポーツビジネスってやっぱり権利確保のビジネスなので、競合他社で同じようなスポンサーメニューの提供はやっぱりしにくいんです。契約に入っているかどうかは置いておくとしても、倫理上やりにくい。

でも我々が目指すのは、自分たちの売り上げ増ではなくてこのビジョンなわけです。じゃあ競合他社にこういう世界観が広まっていくことを僕たちが働きかけないというのはどうなんだろうかと。

理念に対しても誠実さを保って、事業も構造上誠実さを保てるというところも企業研修の大きな力なのかなという部分ですね。

(松崎)社会正義上どうなんだろうと思ったときに、競合他社に協賛プログラムは倫理上提供できなくても、研修は提供できます。契約をするときに、他社さんであっても研修は提供させていただきます、ということははっきりとご説明をしますから。

この研修を通じて、あ、障がいがあるってどういうことなんだろうとか、自分たちが多様性を生かしていくことがどういうことなんだろうと考えたり気づいたりする機会を提供できます。理念にも事業にも構造上誠実さを保てるというところが企業研修の大きな力なのかなと。

(白石)法人運営をやっていくなかで様々なタイミングがあるわけですけど、常にビジョンが念頭にあって判断基準になっているのがよく分かります。

GOAL’s EYE

いかがでしょうか?
ポイントは、

  • 補助金以外の収益モデルの構築
  • 常にビジョンを念頭に置いた事業判断

にあり、常にビジョンを持って、誠実に運営をされてきたことが良く分かりました。
NPO法人の運営の中で企業研修が強みになる理由などがご理解頂けたのではないでしょうか?

次回は・・・

GOAL MAGAZINE Interview  <GOAL、その瞬間>特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会/事務局長 松崎英吾 さんVol.5 ぐうの音も、出なかった。でも何かがあると思った。(1)

企業研修を実現する上で、ステークホルダーの声をいかに聴いてきたのか、次回は、その秘密が明らかに!どうぞお楽しみに!

投稿者プロフィール

白石 華都
白石 華都
GOAL MAGAZINE/広報
東京都生まれ、岡山育ち。在宅勤務と小学生・幼稚園児の子育て中。補助金申請やNPO/社団設立の書類作成の傍ら、GOAL MAGAZINEの運営に取り組んでいる。家族で日本のお城をめぐったり、キャンプでたき火をじっと眺めたりするのが癒し。