【起業家インタビュー】徹底して遊んだ経験から生まれたARCミラー/FunLife株式会社 vol.1

ARC (アーク)ミラーという製品が、2017年秋、スポーツマーケットにデビューした。
ARCミラーは、AR技術を取り入れた、スポーツトレーニングの新製品である。
AR技術は「拡張現実」のことであり、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものを指す言葉。
最近では、AR技術を取り入れたファッションショーやTV番組、ショーなども増えてきている。

ARCミラーとは一体何なんだろうか?

実際に見学に伺ってみると、確かに大きくはあるけれど普通の全身鏡のよう。
しかし、間違いなく私たちの世界を変えていく無限の可能性を秘めている。
この製品を世に送り出したFunLife株式会社の田巻さん、黄木さんに話を伺った。

プロフィール

代表取締役 CEO 田巻 富士夫 “Jimmy”(写真右)
1987年生まれ
1999年 ジャニーズJr.として6年間芸能活動
2009年 早稲田大学国際教養学部卒業
2009年 野村証券株式会社入社/インベストメントバンキング業務/株式トレーディング業務に従事
2013年 みずほ証券株式会社入社/株式トレーディング業務に従事
2016年 FunLife株式会社設立と同時に代表取締役就任

代表取締役 COO,CFO 黄木 桐吾 “Togo”(写真左)
1988年生まれ
2010年 早稲田大学国際教養学部卒業
2010年 三菱重工業株式会社入社/財務部門にてPF業務に従事/エンジン事業及び国内営業に従事
2016年 FunLife株式会社設立と同時に代表取締役就任

・インタビュアー:白石 華都
・カメラマン:若林 哲平

次世代型スポーツトレーニングソリューション=ARC ミラー

(白石)早速ですが、ARCミラーについて教えて下さい。

(田巻)まず、基本的な機能としては「鏡」ですね。
そして、鏡に様々な追加情報をディスプレイする機能があります。
前に立つユーザーの動きをセンサー類を通じて読み取り、解析。同時にカメラも付いている。
カメラは画像解析にも使うし動画として保存しSNSでシェアしたりもできる。
それが基本的なハードウェアの機能です。

(黄木)画像を映し出すのがAR技術(※)で、ユーザーを読み取るのはモーションセンシング技術。
それらに鏡を組み合わせて、もっとユーザーがインタラクティブに。
先生がいない状況、場所的にも時間的にも効率的にトレーニングが可能です。
このARCミラーがこれからのスポーツトレーニングを革新的に変えていくと考えています。

色々な活用が出来ると思っていて、例えばスポーツジムを利用する人が(トレーニングの)点数を、ネットを通じて友達と競い合ったりとか。
他のジムメンバーと競争したりとかっていうのもやれるし。
横のつながりを生むことで、1人でミラーに対して黙々と練習する時の寂しい感じというのを補えると思います。

(白石)実際に拝見しても、未来のトレーニングという感じがします。
このプログラムは、どうやって作られているんですか?

(田巻)モーションキャプチャーという技術があって、人間の身体の動きを3Dデータに変換します。
よく映画のCG撮影とかで見られる、もじもじくんみたいなスーツがありますよね。
あれを着て、アスリートとかインストラクターにその動きをやってもらって、その正しい動きを一度データとしてミラーの中に保存します。

その正しい動きに対して、ユーザーがミラーの前で同じ動きをやったときに、ミラー側が解析をしてどこがずれているのとか、ここを修正したらもっとうまくなりますよというフィードバックを、リアルタイムに教えてくれるというものになっています。

(白石)モーションセンシング技術がゲームや映画以外でこんな活用が出来るんですね。

今週はスノボ。来週はサバゲー。
徹底して遊んだ経験から生まれたビジネスコンセプト。

(白石)先ほどから、お二人の息の合い方が素晴らしすぎるんですが、もとは大学の同級生だったんですよね?

いつ頃一緒にビジネスを始めようと決められたんでしょうか?

(田巻)大学1年の時、同じ学部で、それ以来10年くらいの付き合いですね。
就職先は、僕は金融で、黄木はメーカーで。
卒業してからも、今週はスノボ、来週はサバゲーだとかその次はサーフィンだとか。
たまに飲んでグダグダとかあるんですけど(笑)。
これが仕事になったらいいよねっていう思いつきが全ての始まりです。

(黄木)ARCミラーの前に色々失敗もしてますよ。
スノボの映像の自動編集アプリが、一番初めに考えた恥ずかしいやつ(笑)。
自分の滑りを撮って、それを後で編集して、格好良く、動画にする。

(田巻)でもこれ・・冬しかダメじゃない?とか(笑)。

(黄木)じゃあ、夏はサーフィンでいいか!とかね(笑)。
とにかくお互いにどんどんアイデアは出したけど、〈スポーツで、教える系の内容〉というのはぶれなかったですね。

(白石)徹底して遊んだリアルな経験から生まれたコンセプトだったんですね。
そして、お二人はARに出会った。

(田巻) ARは、そこにないはずのものが浮かび上がる。
ホログラムみたいなものを本当に3Dで、そこに誰かがいるとか物があるっていうような感覚を受けることができるという技術なので、これをスポーツのコーチングに使ったら良いんじゃないかと思ったんです。

問題解決のカギは、身近なアイテムにあった。

(田巻)ARを使ってホログラムのイチローが出てきてバッティングを教えてくれたり、マイケル・ジャクソンがダンスを教えてくれたりしたら、すごいよねっていう話になって。
でも、今までのAR技術を使う、楽しむという場合に主流なのが、ホロレンズや大きなヘッドセットを付けたりする。
有線のものも多いし。だからスポーツをやるという考えで行くと、これは相性が悪いなという結論に至ったんです。

(白石)確かにマシンを付けてスポーツは難しいですよね、、、

(黄木)実際スポーツやってる時って、何も付けないじゃないですか。
なのに、ゴーグルを付けて、重いし、ずれるし、酔うし、何かにつながっていたらトレーニングなんて出来ないですよね。

(田巻)じゃあその機能を全部体から外して、何かに入れようよっていったときに思いついたのがミラーだったんです。
ミラーなら、自分の身体がどうなっているのか確認できるし、そこに等身大のインストラクターだったり、スポーツ選手なんかが同時に見られたら、感覚としては同じ結果が生まれますよね。
同時に、ミラーの中に全て内蔵することで、ユーザーは身体にセンサーやヘッドセットを付けなくても良い。
普段どおり、ナチュラルにミラーの前に立つだけで、的確なコーチングが受けられる、人間の動きに対応した遠隔的なコーチングシステム。というコンセプトが固まっていきました。

(白石)なるほど。解決策は、身近なところにあるという・・・。

(黄木)それが1年前ぐらいですね。
そこから開発とかを始めて、ある程度、目途が立った2016年12月末に創業して、創業融資のところで御社(行政書士法人GOAL)にお世話になりました。

諦めずにしつこくトライし、つかんだ奇跡。

(白石)ここまで非常にスピーディー且つ順調にやってこられたように思うんですけども。
普通、ユニークなアイデアがあっても、その技術を実現できる肝心のエンジニアがいないということはよくある話ですけど、どうやってエンジニアの方を探されたんですか?

(田巻)ARってそもそも何だっていうところからまずは勉強しようと、関連本を沢山読みました。
そのなかで、AR三兄弟の本がとにかく多いなと。
AR界隈ではとにかくトップの方々なんですね。どうにか1回会わせて頂いて、誰か凄腕のエンジニア紹介してもらおうよっていうところから始まったんです。
でも、物凄くお忙しい方々なんで全然電話も出てもらえないし、メールの返事も無いしで、3週間、4週間ぐらいずーっとしつこく電話しました。
そしたら、やっと少しだけお時間を頂いて、わちゃわちゃしながらプレゼンしましたね(笑)。

(黄木)誰かエンジニアを紹介して頂くつもりが、「それ面白いし、一緒にやろう」と言って頂いて。
AR三兄弟さんには、「諦めないのが良かった」とも言ってもらいました(笑)。
僕らはそれしか才能が無いので(笑)。


 

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投稿者プロフィール

白石 華都
白石 華都

GOAL MAGAZINE/広報

東京都生まれ、岡山育ち。在宅勤務と小学生・幼稚園児の子育て中。補助金申請やNPO/社団設立の書類作成の傍ら、GOAL MAGAZINEの運営に取り組んでいる。家族で日本のお城をめぐったり、キャンプでたき火をじっと眺めたりするのが癒し。