難民認定制度が変わる!(1) これまでの難民認定制度の現状

こんにちは、入管専門行政書士 中楯です。
2018年1月12日、法務省はついに難民認定制度の大きな転換に乗り出しました。

」というと、どのようなイメージを持っているでしょうか?
欧米でのニュースなどでよく耳にするこの言葉。
政治的・人道的・宗教的な問題が自国にあり、それらからの迫害から逃れるために外国へ逃れる人々のことです。

日本に難民が来るなんて聞いたことがない方も多いでしょう。
ですが、日本にも難民を保護するための難民認定制度があります。
そしてそれらの申請を処理するのは入国管理局です。
この難民認定制度が、これまで大きな問題となっていました。

難民認定制度の許可率はどれくらい?

難民と認定されると、「定住者」という在留資格(ビザ)をもらうことができます。
「定住者」ビザは、就労制限がない比較的安定しているビザです。
しかし、難民申請の許可は非常に低いものです。

申請数 許可数 許可率
平成24年度(2012年) 2,545人 18人 0.7%
平成25年度(2013年) 3.260人 6人 0.2%
平成26年度(2014年) 5,000人 11人 0.2%
平成27年度(2015年) 7,586人 27人 0.4%
平成28年度(2016年) 10,901人 28人 0.3%

過去5年をみても、1%を超える年はありません。
およそ200~500人に1人という、恐るべき許可率の低さです。
難民認定された人々の国籍は、アフガニスタン、エチオピア、エリトリア、バングラデシュなど、まさに難民が多い地域です。

 なぜ?増え続ける難民申請

上記の表を再度ご覧ください。
許可の可能性は非常に低いにも関わらず、申請者の数が爆発的に増え続け、2016年度はついに1万人を越えました。
なぜ、不許可となる可能性が極めて高い難民申請をする人が増え続けているのでしょうか。

答えは「便利」だからです。

難民申請は、申請書の様式さえ満たせば誰でも申請ができ、必ず受理してもらえます。
そして、審査期間中は「特定活動」というビザが与えられ、就労もできます。
特定活動の期間は6か月であり、それまでに審査の結果が出なければ更新できます。
そして仮に不許可となったとしても、何回でも申請ができます。

半年に1回入国管理局に行く、これを繰り返すだけで仕事をしながら適法に日本に在留することができる。

こういう制度なのです。

一時しのぎに難民申請をする人々

「難民申請をすれば日本で生活することができる」
だんだんとこのような噂が広がり、本来は出国しなければならない人たちが申請をするケースが増え、
ついには1万人を超える申請数にまでなってしまいました。

留学ビザで来て、学校を辞めてしまった人、技能実習で来て辛い仕事から逃げた人、
果てには最初から難民申請目的で、観光で来てそのまま入国管理局に駆け込む人。

あまりの節操の無さに、法務省は2018年1月、難民認定制度の適正化のための更なる運用の見直しを発表しました。

 

難民認定制度はこう変わる!

新たな難民認定制度では、申請後2か月以内に、以下の4つのカテゴリーに分類します。

  1. 難民認定の可能性が高い人
  2. いずれにも該当しない人
  3. 明らかに難民に該当しない人
  4. 再申請者

1.については在留を認め、就労も認めます。
2.についてはこれまで通り、就労を許可しながら審査を継続します。
3.と4.については在留期限後に強制収容、もしくは退去強制手続きをとります。

申請者の国籍などを見ても、3.と4.が大半を占めることは明白ですので、これが運用された際には多くの難民申請者が収容もしくは出国を余儀なくされることとなるでしょう。

対応としては非常に厳しいものと言わざるを得ませんが、それほどの社会問題となっているということです。

今回のまとめ

難民認定制度は、本来母国からの迫害から逃れてきた人々を保護するための制度です。
ですが、その制度を利用して不当に日本に残留する人が増えてしまった結果、収容もしくは強制送還という措置を取らざるを得なくなってしまっています。

次回のコラムでは、既に難民申請を行ってしまっている外国人が難民申請から脱却し、適切な在留をするための方法を解説していきたいと思います。

投稿者プロフィール

中楯 友樹
中楯 友樹
1985年2月9日 新潟県佐渡島生まれ。
新潟大学 教育学部卒業。教師を志し教育学部へ進むも、カナダへの留学中にさまざまな文化に触れるうちに「外国人の支援をしたい」と思うようになる。大学卒業後、学習塾室長、高校教師を経て行政書士シーシャイン総合法務事務所を開業。
2015年11月より行政書士法人GOALに合流。英検準1級、TOEIC 900の英語力を活かし、入管業務を専門とする。