某カレーチェーンの廃棄カツ横流し問題の今

カレーはナンよりライス派の産廃担当の石下です。

去年のはじめ、世間を賑わせた某カレーチェーンの廃棄カツ横流し問題がありましたね。
実はあの事件、このカレーチェーン店が委託先の産業廃棄物処理業及び会長を相手に提訴していました。

廃棄カツ横流し問題とは

廃棄カツが処理業者から岐阜県羽島市の製麺業者に横流しされ、その後スーパーなどに流通したこの事件。

大手チェーン店で起きた事件ということもあり、マスコミも連日特集をしていました。
その流れでちゃっかり自分もフジテレビさんから取材をいただくほど日々取り上げられていたほどです。

この問題は大手だったということで注目された以外にも、廃棄物に関わる事業者の方々には大きなショックを与えました。

許可を持っている業者に処理を委託したのに、不正転売という不適正な処理をされてしまい、挙句、マスコミに社名公表されて大きな損害を受けたからです。

明日は我が身といいますか、どうやったら不適正処理に巻き込まれないかについて、しっかり向き合うきっかけになった事件とも言えると思います。

訴えの内容とは

放置されたビーフカツの処理を肩代わりさせられたこと及び社会的信用が失われたとして、委託先の産業廃棄物処理業者と会長に約2千万円の損害賠償を求めています。

既にこの会長や製麺業者の元実質的経営者の男性ら3人は、平成27年8~11月の間に廃棄委託された冷凍カツ約6万枚を処分したと虚偽報告し、委託料約28万円を詐取するなどしたことについて詐欺罪などに問われ、いずれも有罪判決が確定しています。

また、愛知県も処理業者が処分せずに倉庫に残した廃棄物の撤去費用約4千万円を請求していますが、支払いのめどは立っていないとのことです。

不適正処理の背景にあるもの

そもそもなぜ不法投棄や今回のような不正転売が起こるのでしょうか?

その大きな理由は財政上の問題です。通常の取引をするよりも、処理費用がかからない不法投棄や、処理費用をもらっているのに処理せずに転売してしまうのは、会社が傾いているからという理由が大きいのです。

もちろんこの場合には賠償命令が出たとしても支払えるような体力はないでしょうから、結局は廃棄物を排出した会社、つまり処理の委託をしたほうが責任を持って自腹で撤去なり原状回復しなければならないわけです。

処理を委託したのにちゃんと処理されずに損害が発生したのですから、損害倍書の請求はできるでしょうが、今回もきっと支払い能力はないのではないだろうかと思います。それでも提訴に踏み切っているのは、おそらくは自社のイメージ、つまり自分たちは被害者だということを伝えたいのではないでしょうか。

廃棄物の処理を委託する際の注意点とは

今回のケースではそもそも処理の委託費用が極端に安かったと言われています。これほどの大手のチェーン店の担当者が、あまりに安い処理費用何も感じなかったとは考えられないと思っています。

しかも、保管状況を見ても、容易に横流しができるような状況だったと言われています。これでは完全に被害者とは言えないのではないでしょうか?

以前にも排出事業者責任については触れましたが、廃棄物については処理を委託する側、つまりゴミを出す側にも適正処理のための責任があります。具体的には、ちゃんと処理してくれる事業者に処理を委託しなければならないのです。

そのためには、人任せにせず、当事者意識を持って、処理業者と密にコミュニケーションを取って情報共有をし、適切に処理されているかをしっかり確認していくことが必要です。

図解明解 廃棄物処理の正しいルールと実務がわかる本 排出事業者責任に問われないためのリスクマネ…/翔泳社

排出事業者として注意すべきポイントに付いての詳細はこちらの本に書かせて頂いていますので、気になる方はぜひ呼んでみて下さい。

読むのが面倒であればぜひ下部の問い合わせフォームからご連絡くださいませ。

夜中にカレーの記事を書いていたらカレー食べたくなってきたので今日はこのへんで。

投稿者プロフィール

石下 貴大
石下 貴大代表
1978年10月15日栃木県生まれ 

産業廃棄物やリサイクルなどの環境ビジネス支援や株式会社や一般社団法人などの起業支援に専門特化して10年目。

これまで6冊の出版に加え、日経新聞やフジテレビの情報番組などメディア露出も多数。

1児の父親でメロメロ中。趣味はサッカーとビール。
いつか息子とボールを蹴れることを夢見ています。