外国人の間で人気が高まる日本酒。日本酒を販売するためにはどんな許可が必要なの?

2020年までに4,000万人の外国人旅行者の受入を目指す日本。

2018年の1月に国土交通省より発表された2017年の訪日外国人旅行者数は2,869万人。
もう少しで3,000万人の大台に乗りそうです。

さてそんな外国人が多く訪れる観光地は、「モノ」より「コト」の消費に流れつつあり、少し日本人の考える観光スポットとは違う意外な場所であることも傾向としてあるようです。

日本の衣食住の「食」を代表するのはいわずもがな日本食です。
日本食の中でも日本酒は特に人気が高いようですね。

欧米からの訪日客に対し日本酒は魅力的な観光資源――。
NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション(東京・品川)と実践女子大学の共同調査によると、米国・英国から来日したうちの8割が日本酒を飲み、6割が酒蔵を訪ねていた。
日本酒、訪日客酔わす 米英人の8割「酒蔵行きたい」|オリパラ|NIKKEI STYLE

米国・英国から来日したうちの8割が日本酒を飲んでいるそうですから、外国人の日本酒の消費量も留まることを知りません。

そうなると、日本酒を外国人向けに販売したら儲かるのではないか。
独自のラベルを作ってオリジナルの日本酒として販売したら儲かるのではないか。
そんな事も考えてしまいます。

ただし、未開栓のお酒を販売するためには酒類販売業免許が必要です。

なぜ飲食店では未開栓のお酒を販売しないのか?「角打ち」には許可が必要?酒類販売業を知ろう – GOAL MAGAZINE

さて、どんな許可を取れば国産の日本酒を販売できるようになるのでしょうか?
そして許可を取る時に気をつけるべきこととは一体何でしょうか?

酒類販売には主に小売と通信販売の2種類がある

原則として1つの都道府県内の消費者を対象に販売する場合や、お酒を店頭で販売する場合は小売りの許可が必要です。
コンビニなどは基本的に小売の許可を取得しています。

一方、カタログやインターネットを通じて2都道府県以上の広範囲の顧客を対象にした営業を行う場合は通信販売の許可が必要です。

通信販売の場合は3,000キロリットルの制限が!

お酒の通信販売を行う場合、その販売するお酒の製造元(蔵など)において年間で3,000キロリットル未満の製造量(「課税移出数量」といいます。)のお酒でなければ販売を行うことはできません。
3,000キロリットルというと、ざっくりと全国流通しているようなよっぽど有名なお酒出ない限り該当はしません。
しかし、例えばサッポロビールを通信販売したいといった場合、サッポロビールは大手メーカーによる製造になり、ゆうに3,000キロリットルの製造量を超えていますので、通信販売は行なえないのです。

一方、小売販売の場合は、3,000キロリットルの制限は無く、どんなお酒でも販売が可能です。

でも実際にはネットで売っているけど?

お酒の許可を取りたいというご相談を受けた際に、お客様がよく聞かれるのは、「楽天でサッポロビールを販売している業者もいるが、あれは良いのか?」ということ。

前途の通り、3,000キロリットル以上製造されているお酒は通信販売出来ません。
しかし、この3,000キロリットルの規制は法改正後に決まったこと。
平成元年6月より前に取得された免許を持っている事業者さんは、その制限は遡及しませんので、堂々と売れてしまっているのです。
2014年にアマゾンがこの通称”ゾンビ免許”を取得したということが記事になっているように、
実際にインターネットでも大手ビールメーカーのビールは売られています。

Amazonは、既にその幻の免許を持っていて、かつ閉店しているお店を会社ごと譲り受けたのです!
アマゾンが獲得した“ゾンビ免許”:日経ビジネスオンライン

輸入したお酒は3,000キロリットル制限の対象外

一方、通信販売の営業形態でも3,000キロリットルの制限が及ばないお酒があります。
それは国外で生産されたお酒です。
フランスで作られたワインなども3,000キロリットルの制限が及ばず、ネット販売することが可能です。
海外の地ビールなんかも販売できそうですね。

まとめ

さて、話をまとめますと以下のようになります。

  • 1つの都道府県内の消費者を対象に店舗で販売する場合は小売り免許の取得が必要になり、どんな種類のお酒でも販売が可能。
  • カタログやインターネットを通じて2都道府県以上の広範囲の顧客を対象にした営業を行う場合は通信販売の許可が必要になり、国産の日本酒を蔵から仕入れて通信販売をしたいといった場合には3,000キロリットル未満の製造量のお酒である必要がある。
  • 通信販売でも海外で製造されたお酒を販売する場合は、3,000キロリットルの規制は及ばない。

もちろんその他にも、販売事業者の事業経験や、事業者の財政基盤、場所的要件という要件を満たさなければなりませんので、お酒の通信販売を行いたいと考えている事業者様はぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

外国人旅行略が2020年には6,000万人を超える想定がされています。

外国人の間で人気が高まる日本酒の販売を事業の一つに組み入れて頂くのはいかがでしょう?

投稿者プロフィール

武田 信幸
武田 信幸
1981年生まれ。千葉県出身。
スタートアップ期の銀行融資や補助金等、資金調達の専門家。
行政書士の傍らインストロックバンド「LITE」のギタリストとしても活動している。行政書士業と共に年2,3回の海外ツアーをこなす「行政書士×ミュージシャン」のパラレルワーカー。