運転資金はどれくらいの金額を借りられるの?という質問にお答えします。

運転資金の融資を受けたい。

でも、どのように見積もればいいのか、いったいどれくらいまで借りられるのか?
そんな疑問にお答えする記事です。

運転資金とは?

融資を申し込みする場合金額の内訳は「」と「」の2種類に分かれます。
設備資金は必要な設備を購入するための資金であり、機械、WEBサイト、車、などが含まれます。
運転資金には人件費、仕入れ資金、広告宣伝費等が含まれます。

機械やWEBサイトの購入のための借入れには見積書の提出が求められ、原則的に購入後、金融機関への領収書により現物確認が行われます。
対して、運転資金で出費する予定の人件費や仕入れ資金などは、見積書の提出は不要であり、原則としてその使いみちは事業に必要な資金であればある程度自由で、かつ出費した後も領収書の提出は不要です。(事業とは関係のないことに使うのは当然契約違反です。)

従って、運転資金をあればあるだけ経営が安定するし広告宣伝費もかけられるので、借りれるだけ借りておきたい、という思うのは当然です。

さて、この運転資金は融資の申込時、どのようにその必要額を見積もればよいのでしょうか?

必要経費からの判断

まずひとつは、具体的な必要経費を見積もる方法です。
見積もり方の一例を見てみましょう。

仕入れ

仕入れが月30万。入金サイトが2ヶ月後のため、2ヶ月は売上げが上がっても現金が振り込まれない。資金繰りを安定させるため2ヶ月分の仕入れ資金を確保したい。

家賃

家賃が月20万円。創業当初は売上げはほとんど上がらず、軌道に乗るまでは6ヶ月かかる見通しのため、6ヶ月分の家賃があると安定する。

人件費

人員を一人増やしたい。最低でも月30万円の給与が必要。社内教育を経て売上げに貢献できるようになるまで3ヶ月は少なくともかかるので、30万✕3ヶ月=90万円の人件費が必要。

広告宣伝費

更にリスティング等で広告宣伝を行うため、月20万をかけ、効果が表れて売上げが立ち始めるまでに6ヶ月はかかると予測される。従って20万✕6ヶ月=120万が必要。

その他必要経費

その他軌道に乗るまでの6ヶ月は水道光熱費、通信費(合計5万)があると嬉しい。

必要経費を収支計画にまとめる

上記をまとめると以下の様は表になります。

項目 根拠 金額
仕入れ 30万✕2ヶ月 60万
家賃 20万✕6ヶ月 120万円
人件費 30万✕3ヶ月 90万円
広告宣伝費 20万✕6ヶ月 120万
その他 5万✕6ヶ月 30万
合計 420万

上記のような必要経費の見積もりを行い、売上げと経費を差し引いて現金がいくら残るのかという収支計算表を作成します。
日本政策金融公庫や制度融資など規定フォーマットには必ずこの収支計算表は含まれていますので。フォーマットに従って入力をすれば問題ありません。

資金繰り表の重要性

ただし、上記の収支計画表はあくまで、会計上の数字であり、創業期の一月分と軌道に乗った時の一月分の計2ヶ月分しか記載しないことがほとんどです。

実際には、ここから元本の返済があったり、税金の出費があったりします。
これでは、3ヶ月後の残金や、2年後の残金など、本当に資金が足りているのか、つまり今回の運転資金の借入金額は妥当なのかという、説明には不十分です。

そこで、より運転資金の必要性や経営の見通しを示すため、最低でも3年分の資金繰り表は作成したほうがよいでしょう。
資金繰り表によって、運転資金の必要性を更にアピールすることが可能になります。

借入月商倍率からの判断

資金繰り表で必要経費をアピールしても、本当はもっと借りておきたい、という方もいらっしゃると思います。
制度上の限度額は別として、そもそも自分の会社(個人も含む)では借りられる限度額はいくらなのか知りたい、というお話があります。

これは経営者の資産背景なその他の財務指標で総合的に判断されるものであるため、全てを紹介しきれませんが、一つの代表的な考え方をご紹介します。

それは「」という考え方です。

なんだか難しそうな話に聞こえますが、至って考え方は簡単です。

借入金額÷平均月商=借入月商倍率
例:1,000万(借入金額)÷250万円(平均月商 )=4ヶ月(借入月商倍率 )

借入月商倍率は一般的には3ヶ月が健全と言われており、6ヶ月になるとかなり危険信号とみなされます。

上記の例で言えば4ヶ月なので、少し黄色が点滅し始めるという印象でしょうか。
これが例えば、借入れが2500万だとすると、借入れ月商倍率は10ヶ月となり、完全に赤信号だと言えるでしょう。

2,500万(借入金額)÷250万円(平均月商 )=10ヶ月(借入月商倍率 )

金融機関側のめやす

金融機関にもよりますが、「月商の2倍前後」を運転資金のおよそのめやすとしているところもあります。
これだけでは明確な判断基準とはなりえませんが、必要経費の見積もりとともに月商倍率も含め総合的にアピールしたいところです。

まとめ

必要経費を見積もる方法と、借入月商倍率で借りられる額を設定する方法をお伝えしました。

WEBシステム業者やコンサルタント業など、原価がかからないサービスでは融資を申込する際に運転資金での借入れをすることになります。
その金額の根拠の算出の仕方がポイントになるということと、自身が借りられる限度額をある程度知っておくことでより具体的で説得力のある事業計画書を作成することができ、引いては希望通りの金額の融資を受けることに繋がります。

運転資金の計算の仕方の参考になれば幸いです。

投稿者プロフィール

武田 信幸
武田 信幸
1981年生まれ。千葉県出身。
スタートアップ期の銀行融資や補助金等、資金調達の専門家。
行政書士の傍らインストロックバンド「LITE」のギタリストとしても活動している。行政書士業と共に年2,3回の海外ツアーをこなす「行政書士×ミュージシャン」のパラレルワーカー。