起業家なら知っておくべき!日本政策金融公庫の新創業融資

起業家ならば誰でも通る!と言っても過言ではない、日本政策金融公庫の新創業融資。
なぜ多くの起業家が他の融資制度ではなく、新創業融資を使うのか、そのポイントをお伝えします。

日本政策金融公庫の新創業融資とは?

新創業融資とは、創業前〜創業後2期以内の個人・法人を対象とした融資制度です。

新創業融資の概要

新創業融資の主な融資条件は次の通りです。

自己資金要件

1期を終えていない場合、原則的には創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要です。
自己資金の9倍までしか借りられないと考えればわかりやすいかと。

ただし、以下の要件に該当する場合は、自己資金なしで申し込みが可能になります。

  • 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
    • 現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
    • 現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
  • 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
  • 産業競争力強化法に規定される特定創業支援事業等の認定を受けて事業を始める方等
  • 中小企業の会計に関する指針または基本要領の適用予定の方

新創業融資制度の「雇用創出等の要件」、「自己資金要件を満たすものとする要件」|日本政策金融公庫

たとえば、美容業や飲食業、不動産業の方で、6年以上同じお店で働いて独立してお店を出そうというときならば、自己資金がなくても申し込みはできることになります。
(審査上は自己資金がないと厳しいですが)

融資限度額

融資の限度額(上限)が1,500万円から3,000万円(うち運転資金1,500万円)に引き上げられました。
ですが、実質的な無担保無保証枠の支店決済額は1,000万円です。担保がない限り原則的には「新創業融資は1,000万円」と考えていいと思います。
創業2年未満でもし1,000万円以上の調達が必要な場合、中小企業経営力強化資金を使うか、他の金融機関との協調融資かということになります。

金利

平成29年6月11日時点の無担保無保証枠の基準金利は2.36%~です。ここから、組み合わせる制度や代表者の性別・年齢等によって、金利のディスカウントがあります。
東京都の制度融資に比べますと金利は低いですが、区市町村の融資あっ旋制度に比べると金利の自己負担は大きいです。

返済期間

運転資金と設備資金とにより、また、組み合わせ融資制度によっても異なりますが、実務的には運転資金7年以内、10年以内というのが一般的です。

新創業融資のメリット

日本政策金融公庫の新創業融資の他にも都道府県の信用保証協会の保証付き融資などにも創業者向けの融資制度がありますが、その中でも新創業融資を使うメリットは次の通りです。

代表者保証なし

無担保無保証(第三者の保証や担保提供が不要)なだけでなく、代表者個人による連帯保証も不要です。

他にも無担保無保証の融資制度はありますが、原則代表者個人による連帯保証が必要です。
その点、新創業融資は、代表者保証不要ですので、家族の理解も得やすく、チャレンジしやすいです。

許認可証や賃貸借契約書提出のタイミング

建設業産廃業運送業、不動産業、介護事業、障害福祉サービス事業など行政による許認可が必要な事業の場合で、かつ、銀行や信用金庫、信用組合等が窓口となる信用保証協会の保証付き融資を申し込む場合、融資実行には原則的には許認可証の提出が必要となります。
つまり、許認可の前提となる事業所や車等の契約に必要な資金(保証金・敷金礼金・仲介手数料)が既に自己資金から支払われていることが必要となります。契約に必要な資金を融資から捻出することが出来ません。
その点、日本政策金融公庫の新創業融資の場合には、許認可証や事務所の賃貸借契約書の提出は融資実行後の事後的な対応でもOKという場合があります。

融資実行までの期間

融資申込者自身の準備状況にもよりますので一概には言えませんが、申し込みから融資実行までの期間は、約1ヶ月です。都道府県の制度融資や区市町村の融資あっせん制度より比較的早い傾向にあります。

まとめ

新創業融資は、政府系金融機関である日本政策金融公庫が担っている創業支援の施策とも言えます。
今のところ、国が創業を強く後押ししていますので、その後押しを受けて、非常に積極的に創業を支援しています。実際、日本政策金融公庫の平成28年の創業関連融資は平成 20 年の発足以降、過去最高の実績だったとのこと。

(略称:日本公庫)国民生活事業の平成 28 年度の創業融資実績(創業前及び 創業後 1 年以内)は 28,392 先(前年度比 107%)となりました。先数としては、平成 20 年の日本 公庫発足以降、過去最高の実績となりました
創業融資実績が過去最高を記録 ~ 女性と若者の実績伸びる ~|日本政策金融公庫ニュースリリース

国が創業を支援しているこのチャンスに、ぜひ新創業融資を活用して、スタートダッシュを!

投稿者プロフィール

若林 哲平
若林 哲平
融資・補助金を軸としたスタートアップ支援を専門とする行政書士。認定支援機関として、日本政策金融公庫と連携し、多くの起業家の支援を行う。特にNPO法人職員の経歴を活かしたソーシャルビジネスの立ち上げと資金調達には定評がある。