使うタイミングが重要?スタートアップの【マル経融資】活用方法とは?

マル経融資という融資制度をご存知でしょうか?
「聞いたことはある」という方も多い制度ではあるのですが、実はあまり知られていない制度上のカラクリ(?)があり、使うタイミングによって、有利/不利が大きく分かれます。
急成長するスタートアップ起業家こそ積極的に活用すべき融資制度ですので、ぜひチェックしてみてください!

マル経融資とは?

マル経融資とは、正確には「小規模事業者経営改善資金」といいます。
商工会議所が窓口となり、日本政策金融公庫が実行する融資制度です。

商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人でご利用できる制度です。
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

無担保無保証で、最大2,000万円、1.11%と非常に低金利なのも魅力です。
中央区、港区、品川区、大田区、世田谷区、中野区、板橋区、練馬区、江東区、墨田区、足立区、葛飾区については、一定の条件で区より支払利息の一部補助が受けられます。
(2017-10-24時点)

従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人・個人事業主のみが対象となります。

マル経融資は使うタイミングが重要!?

資金調達のコンサル等をしている方でも知らない方は多いようですが、マル経融資は、実は制度として使うタイミング(順番)が非常に重要です!
マル経融資は通常の公庫の新創業融資等で融資を受けた後に取り組むとおトク!!なのです。

どういうことか、説明します。

融資限度額の問題

さて、創業から2期以内のスタートアップが使える新創業融資の無担保無保証で支店が決済できる融資限度額は1,000万円です。基本的にはこの【融資限度額】の範囲内でやりくりすることになります。
公庫のHPには、「融資限度額3,000万円」とありますが、公庫担当者によれば、創業2期以内で本店決済で1,000万円を超えるケースはほぼないとのことですので、創業2期以内のスタートアップの融資限度額はまず1,000万円だと認識頂いていいと思います。
次に、認定支援機関の支援を受けて中小企業経営力強化資金を使えば、創業2期以内であっても、融資限度額が2,000万円となります。
創業2期を超えていれば、上記融資限度額が取り払われますが、主に決算書の内容により与信枠が決まってきます。バラ色の決算書であればいいですが、創業2期終了直後でなかなかそれは難しいもの。結局、無担保無保証の支店決済額というのは2,000万円から大幅に広がりません。

マル経融資は別枠?

しかし、マル経融資は、上記融資限度額とは別枠で検討される融資制度です。
たとえば、既に新創業融資で800万円借りていた場合、創業2期以内であれば残り枠は200万円です。
経営力強化資金で1,500万円借りていた場合、創業2期以内であれば残り枠は500万円です。
その残り枠内で、業況や返済実績等々で融資ができるか否か、ということになるのが通常ですが、マル経融資を使えば、制度上、その残り枠とは別に2,000万円の範囲内で検討してもらうことができます()。
これは急激に成長するスタートアップにとっては非常にありがたい仕組み。

※制度上、可能だというだけで、必ず融資が受けられるわけではありません。

先行した融資とは別枠で実行された事例も

弊社のクライアントでもマル経融資により、別枠で融資を受けた事例があります。
業況が順調であったために創業2期以内に多店舗展開の相談を受けましたが、既に経営力強化資金の枠を使い切った後でした。そこで、マル経融資を使うことにし、多店舗展開の資金調達を実現した事例があります。

順番が逆だと意味がない?

ただし、これはあくまでも通常融資(新創業融資・経営力強化資金等)⇒マル経融資の場合の話です。使う順番が非常に重要です。
マル経融資⇒通常融資の順番だと、上記のように別枠になりません!

ご注意ください!

できるだけ早い時期に使うべし!

上記の通り、小規模事業者を優先的に支援することを目的とした制度です。
したがって急成長して、事業規模が大きくなった後では使うことができません。
急成長する手前(タイミングの見極め難しい)で使うべしです。

マル経融資の大まかな流れ

まずは最寄りの商工会議所に相談

商工会議所の経営指導を受けていることが条件となります。
一般的には6ヶ月間の経営指導、とされているようですが、実務上は申込者の事情等に応じて様々な取り扱いがされているようです。

書類の提出

商工会議所に必要書類を提出します。
一定額以上の申し込みの場合、事業計画書が必要となります。
後述の審査会で説得力がある事業計画書を提出する必要があります。

商工会議所の審査会

商工会議所で月に数回開かれる審査会を経て、日本政策金融公庫から融資が実行されます。
商工会議所に相談に行く際、審査会の予定と、審査会ごとの書類提出期限を確認しておくといいと思います。

融資実行

商工会議所での決定の後は比較的スムーズに実行されます。

まとめ

いかがでしょうか?

商工会議所の経営指導員がどれだけその事業を理解し、プッシュしてくれるかが、ポイントとなります。
創業から早い段階で小規模事業者持続化補助金などを積極的に活用し、その際に商工会議所の経営指導員さんといい関係を作っておくと相談しやすいかと思います。


数ある融資制度も組み合わせ方によって、資金調達に大幅な差が出ます。
中長期的に、出資だけでなく融資もうまく組み合わせて資金調達をしたいと考えているスタートアップの方はぜひ、下記フォームからお気軽にご相談ください。
VCやエンジェル、メンターのご紹介もできる場合があります。

投稿者プロフィール

若林 哲平
若林 哲平
融資・補助金を軸としたスタートアップ支援を専門とする行政書士。認定支援機関として、日本政策金融公庫と連携し、多くの起業家の支援を行う。特にNPO法人職員の経歴を活かしたソーシャルビジネスの立ち上げと資金調達には定評がある。