士業連携の重要性

この記事は【士業向け】の記事です。

先日、久しぶりに士業の講習会を主催させていただきました。

福岡、大阪、東京で信託手続きメインで拡大し続ける司法書士や、相続専門で年間100本以上の講演をこなす税理士、ベンチャーと海外進出専門で国外にも支店を出す弁護士に、IPOに強い社会保険労務士などなど、若手で活躍している経営者の士業が20名ほど集まりました。

士業連携が必要な理由

なぜこうした交流会を開催しているかといいますと、専門の士業との連携を重要だと思っているからです。

行政書士、司法書士、社会保険労務士、税理士、会計士、弁護士、弁理士・・・これらの仕事を総称して「」と呼んでいますが、これらの士業の仕事内容の違いを正確にわかる人は少ないだろうと思います。

例えば許認可手続きといえば行政書士と言われていますが、派遣業の許可については手続きができる士業は社会保険労務士だけです。実は士業でもそれを知らない人もいて、うちの事務所にも同業や他士業の方から相談がくるほどです。

(社会保険労務士の業務)
第二条  社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。

一  別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類)を作成すること。

別表第一 (第二条関係)

二十の十一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)

上記のように社会保険労務士法では派遣業法に関する申請書の作成が社会保険労務士の業務とされていますが、行政書士法では下記のような規定があります。

(業務)
第一条の二  行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

2  行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

つまり、原則行政書士は官公署(役所のこと)に提出する書類の作成をすることができますが、労働者派遣事業に関する書類作成については社労士法などにより行政書士が行うことができないということになります。

一方で税務署の手続きである酒類販売業の許可申請については行政書士の仕事ですし、このように各士業の業務範囲は法令に規定されていて、これを「業際」といいます。

このような業際があるからこそ、士業間の連携が必須なのです。

株式会社設立の場合

例えば株式会社を設立する場合には、どんな士業が関わってくるでしょうか?

会社設立といえば我々行政書士のメイン業務の一つとされていますが、行政書士は登記申請をすることができません。定款認証は行政書士もできますが、設立の登記申請は司法書士の独占業務とされています。

また、設立後には税務署に法人設立開始届出などを提出しますが、この代理は税理士の業務になります。

一方で、設立に伴って創業融資をする際には、行政書士や税理士、中小企業診断士などが行っていますが、これについては法令で独占業務として定められていないため、業務を行う知識や経験があれば扱うことができるのです。

弊所でも、創業融資は得意業務とさせていただいており、金融機関とも連携し、多くの融資の実績があります。

同じことは会計記帳にもいえ、決算に関する業務については税理士の独占業務ですが、会計記帳については特に限定されているわけではないため、行政書士が行うことも可能です。

できることには限りがある

株式会社設立だけでなく、たとえば相続でも、行政書士や税理士、司法書士に弁護士などが関わってきます。

また、行政書士業務だけでみても1万種類以上の仕事があると言われています。我々行政書士法人GOALでは対応できない行政書士業務もたくさんあります。

お客様から相談を頂いた際に、行政書士業務でない場合、行政書士業務でも対応できないものである場合があります。

専門家として、自分たちの専門分野を深掘りし、よりよいサービスを提供できるように精進するのは当然のことですが、業務範囲外の相談を頂いた際に、「専門外だからできない」で終わらせてしまうべきでないと考えています。

その場合には、その専門家をおつなぎできればお客様の利益になります。

できることには限りがあります。全ての専門家になれるほど底の浅い業界ではありません。我々は、お客様の問題解決だったり、付加価値を感じていただくために存在すると思っています。だからこそ、自分たちが専門家であり、そして信頼できる専門家と連携を広め、そして深めていくことが大事なのではないでしょうか。

飲むのが好きなこともありますが(笑)、これからもこうした専門家の縁を大事にしていくべく士業の交流会も継続していきたいと思います。

 

投稿者プロフィール

石下 貴大
石下 貴大代表
1978年10月15日栃木県生まれ 

産業廃棄物やリサイクルなどの環境ビジネス支援や株式会社や一般社団法人などの起業支援に専門特化して10年目。

これまで6冊の出版に加え、日経新聞やフジテレビの情報番組などメディア露出も多数。

1児の父親でメロメロ中。趣味はサッカーとビール。
いつか息子とボールを蹴れることを夢見ています。